【サンフランシスコ=松尾理也】北米で唯一の北京五輪聖火リレーを控えた8日、米カリフォルニア州サンフランシスコには、チベット騒乱への対応で中国政府に抗議する団体などが続々と現地入りした。一方、中国系住民の間には聖火リレーへの妨害行動に対抗して「人の壁」を作る動きもみられ、緊張が高まっている。 「チベット騒乱以降、世論の盛り上がりは驚くほどだ」と、9日の聖火リレーを待ち受けるチベット系活動家は口をそろえる。サンフランシスコ入りした世界最大のチベット系国際組織「国際チベット・キャンペーン」のジョン・アカリー会長は、「中国は聖火リレーを世界へのデビューと位置づけていたはずなのに、とんだ恥かき行脚になってしまった」と、中国政府が受けた屈辱の大きさを指摘した。 ロンドン、パリと続いた混乱を暴力的な妨害行為と批判する声も出ているが、チベット活動家側は「これまでの抗議活動は暴力は一切用いていない」と言う。