景気回復を大きな柱の一つとしている「アベノミクス」ですが、長年日本経済を支えてきた輸出はいまだ伸び悩んだままで、1月27日に財務省が発表した2013年の貿易統計では過去最大の貿易赤字となっています。 一般的な見方は「黒字はいいことで、赤字はまずい」ですから「過去最大の貿易赤字=相当まずい」という気になりますが、ちょっと待ってください。 『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』(菅原晃/著、河出書房新社/刊)は、普段真剣に向き合うことの少ない「経済」について、素人にもわかりやすく教えてくれます。 それによると、『貿易赤字=悪いこと』と捉えるのはすごく危険なのだそうです。 ■貿易黒字・貿易赤字に意味はない? 本書の著者、菅原さんは、一つの国単位に区切って輸入や輸出を量ることにはもう意味がないといいます。なぜなら、トヨタにしろユニクロにしろ、今の企業は多国籍化が進んでいるからです。 たとえば、一