細胞性粘菌は、植物が良く生えるような場所の土には非常にありふれたもので、次のようにして簡単に見つけることができる。 採集した一握りの土に水を加えてかき混ぜたときの上澄みを栄養分をあまり含まない寒天プレートに少量滴らし、別に増やしておいた餌のバクテリアをこれに加えてプレート上に拡げて、寒天培地表面の水分がちょうど無くなる程度に乾かしてから培養する。条件が良ければ3~4日で、Polysphondylium violaceum(ムラサキカビモドキ)・P. pallidum(シロカビモドキ)・Dictyostelium mucoroides(タマホコリカビ)などの子実体が見えてくるだろう。このような大雑把なやり方でも細胞性粘菌を見つけられるが、細胞性粘菌を他の微生物から分離したり、サンプル中の細胞性粘菌の数を見積もったりするには、いくつかの工夫が必要になる。 細胞性粘菌は、落葉広葉樹林の腐葉を含む