もし、一度回し始めれば永遠に回り続けるコマが存在するとしたら、世界はどう変わるだろうか。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームが、その究極の夢に限りなく近い技術を実現した。彼らは、磁力で物体を浮かせ回転させる「磁気浮上」において、長年の課題であった目に見えないブレーキ「渦電流」をほぼ完全に消し去ることに成功したのだ。この技術は、私たちの生活を支えるセンサー技術を飛躍的に向上させるだけでなく、Einstein以来の謎である重力と量子力学の統合という、現代物理学最大の謎を解き明かすための新たな扉を開くかもしれない。なぜ、ただの円盤を浮かせて回すことが、それほどまでに重要なのだろうか。 乗り越えるべき壁:見えざるブレーキ「渦電流」 物体を宙に浮かせる「浮遊(レビテーション)」は、古くから人類を魅了してきた。手品師が観客を驚かせる一方で、科学者たちは摩擦や振動といった外部からの干渉(外乱)

