モンテベルデの森へ引っ越してから1年が過ぎた。研究対象にできる森は広く深く続いているが、今のところ、ぼくの主な調査場所は家のドアから半径50メートル圏内。森の奥へ調査に行くことはほとんどない。ピソちゃん(ハナジロハナグマ)がうろうろするように、ぼくもラボの周りをうろうろしている。 身近でも研究対象に事欠かないというのが一番大きな理由だが、同時にぼくは、身近なところからコツコツと調査することを心がけてもいる。 近いから研究がしやすいし、日々の変化もわかりやすい。それにぼくが住んでいるバイオロジカルステーションは、ちょうど人工的なものと自然との境界なので、人々の活動が自然に及ぼす影響も見やすい。そこで得られる情報は、やがて国立公園や自然保護区など原生の自然の保全保護につながるだろう。 そんなこんなで今回紹介するのは、ぼくの身近な自然のなかでもさらに身近な、家のドアから5メートル圏内で出会った虫
![第73回 頭をいくつもくっつけた奇妙な虫を発見](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f10de874b5f28c6d67f7a0bb6317ff4f0c623393/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnatgeo.nikkeibp.co.jp%2Fnng%2Farticle%2F20140421%2F393881%2Fph_thumb.jpg)