最近民主党の分配政策について、自民党やエコノミストなどから「社会主義」的だという批判の声をしばしば聞く。それ自体は単なるレッテル張りでしかないし、また増税策を回避しているからそう言われても仕方のないところがあるが、そこで気になるのは、しばしば「社会主義体制は働かなくても食えるので経済が停滞してしまった」と理解されていることである。 私のこれまでの常識的な理解はそうではなくて、社会主義体制では「いくら頑張って働いてもそれが評価されることがなかった」から、働くことへの積極的な動機がなくなり、経済が停滞してしまったのである。一党独裁の社会主義体制では売り上げを伸ばすために頑張って働くことは、下手したら「資本家の手先」としてブラックリストに載りかねなかった。 今の日本で社会主義的なものを見出すとすれば、いくら頑張って働いても評価されることのない「ワーキングプア」や低所得正社員層だろう。彼らの働く風