要旨 理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター細胞機能変換技術研究チームの鈴木貴紘研究員と鈴木治和チームリーダーらの研究チーム※は、DNAメチル化を制御する転写因子[1]を効率的に同定する方法を開発しました。 ヒトの体には300種類以上の細胞があるといわれており、それらの細胞は全て同じ遺伝子のセット(ゲノム)を持っています。それぞれの細胞が異なる機能を持つためには、その細胞に必要な遺伝子だけがオンになり、それ以外の遺伝子はオフのまま抑制されなければなりません。この遺伝子発現のオン、オフを決めているものの一つがDNAのメチル化修飾[2]です。DNA上には遺伝子の発現を制御する領域(プロモーター[3])があり、この領域がメチル化されると遺伝子の発現はオフに、脱メチル化されるとオンになります。研究チームは2017年9月、転写因子のRUNX1[4]タンパク質が部位特異的なDNA脱メ