現在、マーケティング界の常識は「標準世帯から個人単位の消費へ」。全世帯に占める単身世帯の割合が増加したためだ。そうした中、あえて「ファミリー」をうたう飲食店が今年秋、相次ぎ誕生した。経営するのは小規模だが個性的な店づくりで定評のある企業ばかり。「次世代のファミレス」をうたい工夫を凝らす。 フレンチの名店がファミレスに進出 東京・世田谷区の成城学園といえば高級住宅街として有名な街。その中心である小田急線成城学園駅の上部に完成した新駅ビル内に誕生したのが「グランファミーユ・シェ松尾」。渋谷区松濤の老舗フランス料理店「シェ松尾」グループのシェ松尾エンタープライズ(東京・世田谷)が開いた新業態の第1号店だ。通常の席の一角を区切ると大きめの個室としても使用可能。七五三や誕生日などを両親、祖父母らが集まって祝うための予約で好調だ。 高級フレンチ店が多店舗展開するときは価格を下げ、雰囲気をややカジ