- トータス Tortoise - <トータス・サウンドを語れるか?> 音楽に関する文章を書く人間にとって、トータスというバンドはかなり書きづらい存在かもしれません。彼らのサウンドは、強引に言うと前衛的ロック系インストロメンタル・サウンドと言うことになるのでしょうか。ポップスと前衛音楽の境界線上に位置する音楽でもあります。さらに具体的に言うなら、ユーモアにあふれた前衛ロックの巨匠フランク・ザッパのギター・サウンドをデジタル化して、ペンギン・カフェ・オーケストラののどかさを加えたと言ったらどうでしょうか。(だいたい、このフランク・ザッパほど評論や解説を寄せ付けないミュージシャンもいません。膨大な作品量と真面目でありながらユーモアにあふれたサウンドは、まさに評論家泣かせです) それでもなお、僕がこうやってトータスについて書こうとしているのは、なんと言っても、彼らのアルバム「スタンダード」