Twitterにも書いたけれど、こっちにもまとめとして。 同業白石一文さんが、図書館で書き下ろしと銘打たれた本を借りないでくれ、と書いている。印税について数字を出したうえで、「皆さんが図書館を利用すると良心的な作家ほど行き詰まる」と。この問題については何度かブログにも書いてきたけれど、わたしは図書館を作家の敵とは思わない立場だ。 なにより、読書家としての自分が図書館で育ったという自覚がある。若いとき、貧しいが読書欲は旺盛だったころ、もし世の中に図書館がなかったら、その後わたしはこれほど本を「買う」大人になったろうか。むしろわたしは、自分の本を公立図書館のすべてが買ってくれたらと願う。 図書館は本一般の読者を育てるだけではなく、わたしの読者も育ててくれる。図書館で単行本を借りたひとがわたしの読者となってくれたら、そのひとはやがて購入者ともなってくれるはずである。作品を知る、作家を知る、その回
きょうの宝島社の全5段広告(わたしは朝日新聞朝刊を見た)は、議論を呼ぶことだろう。ヘッドコピー「本屋のない町で私たちは幸せだろうか?」 その下に1行。「宝島社は、電子書籍に反対です」 この問いかけと、宝島社の宣言の論理的な関係がよくわからない。宝島社は、電子書籍が町の書店を消滅させると主張しているのか? 電子書籍が現実に市場に出てきたのは、Kindle(日本語対応)とiPadが登場した今年だと言ってよいだろう。これ以前の電子書籍は、規模として無視できる。しかし、書店の減少は今年突然起こったのではない。ネットで数字を調べると、こうだ。 1992年 全国書店数22500 2001 20939 2010 14059 電子書籍が存在しないときから、書店は減少していた。とくにこの10年の減少数は多い。本の流通問題を取り上げた佐野真一のルポ『誰が本を殺すのか』刊行は
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く