「鶴舞う形の群馬県」「草津よいとこ薬の温泉(いでゆ)」・・・。群馬県民に広く親しまれ、大人になっても読み札を暗唱できる県出身者が多いことでも知られる「上毛かるた」。昭和22年の発行から今日まで、郷土かるたのさきがけともいわれる「上毛かるた」を守ってきた財団法人「群馬文化協会」(西片恭子理事長)が、著作権と商標権を群馬県に無償譲渡することを決めた。すでに県との協議が進められており、10月末にも正式に譲渡したい考えだ。 群馬文化協会は19日、前橋市内で役員会を開き、上毛かるたの著作権、商標権を県に譲渡する方針のほか譲渡後に協会を解散することを確認した。 関係者によると同協会の方針は、上毛かるたの生みの親で、昭和61年に死去した浦野匡彦(まさひこ)・初代理事長の「上毛かるたは郷土の宝。いずれ公に帰(き)すべきだ」という遺志を実現するためという。役員の高齢化で著作権管理などの負担も大きくなると