長島昭久防衛政務官は1日に都内で開かれたパネルディスカッションで、来年1月で期限切れを迎える海上自衛隊によるインド洋での給油活動について、根拠の新テロ対策特別措置法に派遣に対する国会事前承認の条項を新たに盛り込み、継続すべきだとの考えを表明した。 鳩山由紀夫首相や岡田克也外相が「単純延長は考えていない」と繰り返していることに関連し、長島氏は「複雑な形で延長することもあり得る」と指摘。10月下旬に予定される臨時国会でテロ対策特措法改正案を成立させる案に言及した。 一方、北沢俊美防衛相は1日の記者会見で「民主党は給油を継続しない立場であり、衆院選でも主張してきた」と不快感を示した。即時撤退を掲げる社民党の福島瑞穂党首(消費者行政担当相)も会見で「延長しないことで、この内閣はやっていくべきだ」と反発している。
岡田克也外相は6日の記者会見で、来年1月で期限切れとなる海上自衛隊のインド洋給油活動をめぐる北沢俊美防衛相と長島昭久防衛政務官の発言の食い違いについて「防衛省内の話だ。北沢氏と長島氏の間でよく意見調整をすべきだ」と指摘した。 同時に「政府のメッセージとしては『単純延長はない』という言い方で統一している」と重ねて強調した。 長島氏は、根拠法の新テロ対策特別措置法に国会事前承認条項を盛り込むことで活動延長を認める考えを主張。一方、北沢氏は「延長という選択肢はあり得ない」と明言し意見の不一致が表面化している。 岡田氏は、条件付きでも活動延長に反対する考えを表明した社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相については「与党3党の政策合意には、給油の話は具体的には書いてない」と述べた。
年末に改定が予定されている「防衛計画の大綱」(防衛大綱)について北沢俊美防衛相は5日、早急に閣僚委員会を開いて本格的な見直し作業に着手する考えを表明した。ただ、見直しの基礎となる有識者による「安全保障と防衛力に関する懇談会」の報告書は8月の麻生政権当時のもの。閣僚委員会では事実上最初から議論し直すことになり、年末までに防衛政策の全体像となる改定をまとめられるか、政権の試金石にもなりそうだ。 榛葉賀津也副防衛相は記者団に対し見直しについて「時間がない。全部肯定も全部否定もすることはない」と述べた。しかし有識者懇談会の報告書には集団的自衛権行使を禁じる政府の憲法解釈変更や、武器輸出三原則の緩和なども盛り込まれている。鳩山由紀夫首相は衆院選中に集団的自衛権について「いまは見直す考えはもっていない」と表明。連立を組む社民党もいずれも反対する姿勢で、政権内ではこれらの問題についての基本的なスタンスさ
森本敏防衛大臣補佐官に聞く 新政権下の防衛諸課題 「安保政策の変更は控えめになるのではないか」と語る森本防衛大臣補佐官(防衛省で) 景気回復、弱者救済などを主な争点とした総選挙で民主党が大勝、間もなく新政権がスタートする。北朝鮮の核開発など日本を取り巻く安全保障環境は極めて厳しいが、内政問題中心の論戦の陰で、新政権の安保・防衛政策の方向性は必ずしも明らかではない。テロとの闘いの一翼を担うインド洋の補給支援やシーレーンの安全を確保する海賊対処、あるいは周辺情勢の変化に対応するための防衛計画大綱の見直しや米軍再編問題など、当面する防衛政策の諸課題はどう展開していくのか。さる8月1日付で初代の防衛大臣補佐官に就任した森本敏・拓殖大学教授に聞いた。(聞き手は川畑伯編集局長) 「防衛問題について内外にメッセージを発したい」と語る森本補佐官と、右は本紙の川畑編集局長(防衛省で) 極端な政策変
民主党は27日、衆院選で政権を獲得した場合、現政権が年末に改定を予定していた防衛計画の大綱のとりまとめを来年以降に先送りする方針を固めた。同党は現在の改定案を抜本的に見直したうえで、新たな「防衛大綱」を整備していくことにしており、年内に検討作業を終えるのは困難と判断した。防衛省は年内の大綱改定を前提に来年度予算の編成作業に着手していることから、混乱は避けられない見通しだ。 大綱をめぐっては、首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・勝俣恒久東京電力会長)が今月4日、集団的自衛権の行使を勧告するなどした報告書を麻生太郎首相に提出した。政府はこれをたたき台として、年末に大綱と今後5年間の主要装備品の整備内容を定める中期防衛力整備計画(平成22〜26年度)を閣議決定する方針だった。 しかし、こうした報告書に対し、民主党内に慎重論が強く、鳩山由紀夫代表は政権獲得後に報告書の内
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