◇「政権安定」予測強まる--米ジョンズ・ホプキンス大ライシャワー東アジア研究所長、ケント・カルダー氏 自民党が長く政権を維持してきた理由を研究した時、政治危機のたびに保守勢力は有権者への利益分配を拡大していると気づいた。革新自治体が急増した70年代、安保改定で混乱した60年代前半、共産党が伸びた保守合同の前が典型だ。 自民党は今回も同じようにやろうとした。小泉政権は、道路公団を民営化したように利益分配を縮小する傾向があった。麻生政権は、中小企業対策などでも従来通りの政策だった。だが政治的にはうまくいかなかった。 理由の一つは社会が変化したからだ。都市住民に利益誘導の効果は薄い。もう一つは小選挙区制になったこと。「ばらまき政策」は、党内競争を勝ち抜くのに15~20%の得票で当選できる中選挙区の方が効果がある。 経済成長が望めず財源も足りないから、補助金の規模自体が小さくなっている。民主党のマ