「クソみたいな仕事」について書かれている本が話題になっているようだ。 考えてみるに、ぼくはこれまでひとつも人命を救うような仕事もしたこともなければ、世の中から感謝される仕事もしたことがないし、自分がやらなければ誰かが困るなんて仕事もしたことがない。 サラリーマンは常に替えがきく存在であって、自分がいなくなっても現場が回るように環境を整えて、そっと退場するところまでが仕事なのである。 若い頃はそういうのが耐えられなくて、生まれてきたからにはすごいことを成し遂げたい、世の中をあっと言わせてやるんだという気持ちが強くて、それがあまりに強かったので、現実とのギャップにすごく苦しんでいた。 そうやって年を取る中で、つまらない仕事、かっこわるい仕事、恥ずかしい仕事もたくさん経験した。 今でも、特に同年代で世の中からたくさん尊敬される仕事をしている人と出会うと、とてもうらやましく感じる。 だけど、自分の