先週、クレジットカードの請求書を見て仰天した。米アップルのアプリを販売するアプリストアから、覚えのない909ドル(約10万円)もの課金をされていたからだ。最初はハッキングを疑った。ところが、10歳になる息子が、オンラインゲームで遊ぶためにバーチャルのサッカー選手を買い集めたせいだと分かった。 以来、息子のゲーム機は没収し、パスワードも無効にした。しかし、米グーグルの元社員で、その後、米大手IT(情報技術)企業の力に警鐘を鳴らす立場に転じたトリスタン・ハリス氏によると、こうして罰を受けるべきは、私の息子だけではないという。 ハリス氏は、米スタンフォード大学の「Persuasive Tech Lab(説得力を高める技術の開発を手掛けるラボ)」を卒業後、人の行動を変容させるようなソフトウエアを開発していた。ゲームでも、ティンダー(Tinder)といった出会い系サイトでも、偽ニュースでも、あらゆる