政治的コミュニケーションで選択されるのは、「政治的直接性」という名目で選択できるテーマだけである。政治的直接性という言葉は、政治的に解決できない問題を政治的な問題に摩り替えるための決まり文句として、有効に活用されている。誰もが馬鹿の一つ覚えのように飢餓やホームレスや環境破壊のテーマに夢中になっている。「私が楽にならないテーマは政治的に無意味だ!」これらのテーマは決して「不都合な真実」などではなく、盲目的に政治的直接性を選択することを可能にする<好都合な真実>なのだ。政治的直接性とは、政治を政治的にしか語れない連中が尤もらしく思考をサボるための口実に過ぎない。 この記事の目的は、『「学問と政治の対話」が成功しない理由 - ポスト・ヒューマンの魔術師』に則り、『政治学や歴史学が提起する「学術的な問題」が「政治的な問題」に摩り替えられていく理由の現象学的な観察。政治学的な根拠か、歴史学的な系譜か