仲良くしているひとがいる、と言うと、ほぼ決まって次の質問は、「そのかたとはどれくらい続いているんですか?」というものだ。 そこでたとえばわたくしが、「えーと、もうすぐ5年ですかね」などと答えると、今度はこう返ってくる。「すごいですね! 長続きのコツはなんですか?」 知るかんなもん、である。こちとらギネスに挑戦じゃあるまいし、長続きさせることを念頭に置いて仲良くしているわけではない。 しかし、お付き合いするからには、なるべく長く、できれば半永久的にひとりの相手と仲睦まじくすごしたい――それが常人の感覚らしい。へそ曲がりのわたくしなどは、「けっ、長けりゃいいってもんでもなかろうに」と、ついつい心のうちで毒づいてしまうのだが。 誤解を招かないよう記しておくが、親密な他者との関係において適度なメンテナンスが必須なのは言うまでもない。だが、どのようなメンテナンスも関係の長続きを必ずしも保証するもので