2006(平成18)年12月13日~17日にかけて8小中学校にまたがる食中毒が発生し、原因はノロウイルスによって汚染された給食のパンであるものと考えられた。生カキ事例以外では食品が特定されたケースは少ないので、今後の食中毒調査のための参考事例として詳細を報告する。 上記の5日間で教職員と生徒を合わせて1,440人中366人が発症した。発症者20人の検便を実施したところ、14人からノロウイルス genogroup (G) IIが検出された。複数の学校にまたがった食中毒であることから給食センターが疑われたが、本事例では2つの給食センター(Aセンターは5小中学校、Bセンターは3小中学校)が関与していた。2つの給食センターはそれぞれ独立して調理を行っており、同じタイミングで食中毒を起こす確率は低いことと、調理員に対して行った検便でもノロウイルスは検出されなかったことから、給食センターそのものが原因