現在、急速に商用化が進むAI(人工知能)は、GPUというプロセッサ(半導体)を搭載したコンピュータで、大量のデータを処理することで動いている。GPUは元々、ゲームのコンピュータ・グラフィックスなどを処理する画像処理用半導体で、これがAIなどのコンピュータ・システムに搭載されるようになったのはこの10年のこと。そしてこのGPUコンピューティング(GPGPU)の本格運用に世界で初めて成功したのは、実は日本のコンピュータ研究者だ。 『週刊東洋経済』8月21日発売号「教養としてのテクノロジー」に連動したテクノロジー(テック)賢人へのインタビュー3回目は、GPGPUの始祖である松岡聡・東京工業大学学術国際情報センター教授。コンピュータの未来を聞いた。 「ムーアの後をどうするんだ?」 ――コンピュータ研究において、今もっともホットな論点は何ですか? 今のコンピュータというものが、あと10年で限界が来る
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