社会インフラ支える人頼み/余計な仕事廃し生産性アップ 気鋭の経済思想家、斎藤幸平さん(33)が時代を映す出来事やモノを切り口に、描くべきこれからの社会を考える連載。今回は、新型コロナウイルスの脅威により急速に広まりつつあるテレワーク=*=がテーマ。スムーズに移行したケースとそうでないケース、またテレワークするわけにはいかない現場を取材し、見えてきた課題とは。 「世間には無駄な会議、そのための無駄なスケジュール調整、無駄な出張、そして儀礼的な慣習に基づいて無駄に作りこまれた資料が溢(あふ)れている」。そう喝破するのが、今回コンタクトを取った哲学者の友人、朱喜哲(ちゅひちょる)(34)である。ただの哲学者ではない。広告代理店・電通のプランナーという裏(表?)の顔を持つ。 この不合理さの指摘は、デイビッド・グレーバーというアナキスト人類学者の世界的ベストセラー『ブルシットジョブ』(2018年)と