トルコ水紀行 -前編 イスタンブール- みなさんこんばんは、地図子です!8月は久しぶりに毎月更新にしようと思います。今までずっと名古屋について書いてきましたが、ワープして・・・ トルコについて書きたいと思います。 2024年6月に念願のトルコに行ってきました。いつからトルコに行きたかったかわから…
2010年01月26日23:56 カテゴリ経済 存在論的ブラック・スワン タレブが"Black Swan"の第2版で追加した部分をツイッターで紹介している。あれを読んだとき誰もが感じる疑問は、彼はフランク・ナイトを読んだことがないのかということだが、これに反論してタレブは、ナイトのリスクと不確実性の区別は本質的ではないという。 たとえば世界貿易センタービルで働いていた人にとって9・11は確率ゼロのブラック・スワンだったが、そこに突っ込む飛行機に乗っていたテロリストにとっては確率1に近い出来事だった。両者を知っている神がいれば「存在論的リスク」は計算可能かも知れないが、神はいないので、すべての社会現象はナイトの意味で不確実なのだ。それが機械的なリスクに見えるのは、特定の座標軸を固定した場合の錯覚にすぎない。 Black-Scholes公式に代表される経済学の理論は、社会の本質的な複雑性を捨象
政治家が悪い、官僚が悪い、マスコミが悪い、経営者が悪い、といった考え方は、完全に間違ってはいないにしても、問題の原因を「属人」的な部分に求めすぎている。こういう考え方は、きわめて高い能力と優れた人格を兼ね備えた人、いわば「超人」を要求するものだ。 日本では中央政府に権限が集中しているので、政治家や官僚はとりわけ、「超人」であることが求められることになる。しかしこれは非現実的であり、「永遠にかなわぬ夢」だ。能力は高いけれども腹黒かったり、いい人なんだけど無能だったりするのが、人間というものだろう。能力も高く人格も優れている場合でさえ、日本では「組織の論理」や「空気」によって、個人の才能が封じ込められてしまいやすい。 能力が高くて人格も高潔な「超人」のような人はめったにおらず、無限に供給されてこない。だから「超人」の登場に期待したり、それを前提とするのではなく、「凡人」でも社会が回るような「仕
前回は、日本のDRAMがなぜ世界シェアNo.1になれたのか、そして、なぜその座から陥落したのかを説明した。 PC用DRAMを安く大量生産する韓国などにシェアで抜かれた日本半導体産業の言い分は、「経営、戦略、コスト競争力で負けた」「技術では負けていない」という2言に集約された。果たしてその言い分は正しいものだったのだろうか。 「技術では負けていない」という評価は、ある意味では正しい。なぜならば、高品質DRAMを生産する技術では、確かに韓国や米国に負けていなかったからである。つまり、高品質DRAMにおける過去の成功体験が、日本半導体のトップたちが声高に「技術では負けていない」と主張する背景にある。 このようなことが、本連載の第1回で紹介したように、少しでも日本半導体の技術にケチをつけると、「湯之上の言うことは全て間違っている」というような罵倒が飛んでくる原因となったのである。 しかし、この成功
投稿日:2010-01-18 あるところに不良にカツアゲされているいじめられっ子がいた。 自分がもっている財布の金だけでは足りず、家の金を盗んでこさせられていた。 ある日、それが親にばれて「そんな金を渡す必要はありません」と叱られたので、もう渡すのをやめた。 いじめられても、決して金だけは渡さない。それだけで何かを守ってことになるのだから。ましてや悪事には加担しない。しないようにする。それだけで何かが変わることもある。個人の話ならば。 ところが、このいじめられっ子は、単に家の金を盗んでまで、カツアゲされるのをやめただけで「制裁を下した」などと自信を持ってしまった。 そのいじめられっ子の名を、日本国と言う。 ちなみに、坂本龍馬はいじめられて何も言い返せず毎日泣いて帰っていたが、剣を鍛えて誰にも舐められないようになった。 この話を聞いて、戦争(ケンカ)をすることと戦争(ケンカ)に備えることがま
かつて荷宮和子が2ちゃんねるを批判した際、2chでは「貧乏人」という罵り言葉がない、ねらーがみな貧乏人だからだとした。半分くらいは当たっているが、むしろ徹底的にないのは「卑怯者」という罵り言葉だろう。そりゃそうだ、みんな匿名でガチャガチャ言っているのだから。 さて、『人でなしの経済理論』の訳者・山形浩生によるあとがきに、日本の反禁煙の言論は全般的に知性が低い、と書いてある。で、具体的にどれがどう、と言わないのがまさに「卑怯」なのだが、おそらく山形は「戦略」のことを言っているのだろう。そんな真正面からファシズムだと騒いでもダメだよ、戦略を樹てろよ、ということだ。 しかし、この本に書いてあるようなトレードオフ理論を禁煙、嫌煙派に示して説得することは、ほぼ不可能だろう。 「戦略」という言葉は、2000年前後に宮台真司がよく使っていたが、それは要するに宮台の本が売れる戦略でしかなく、売春防止法の見
2010年01月11日00:43 カテゴリ経済 イノベーションは「いじくり回し」である 日本でも大ベストセラーになった『ブラック・スワン』に続いて、今年中に出るといわれるタレブの新著、"Tinkering"の草稿の一部が、彼のツイッターで公開された。ランダムなメモなので非常に読みにくいが、私が解読した範囲で簡単に紹介しておこう(日を追って逆順に書かれているので、最後から読んだほうがわかりやすい)。 本書のテーマはイノベーションで、タレブはそれをtinkering(いじくり回し)と呼ぶ。イノベーションは、科学的発見に似ている(これは当ブログでも論じた)。それは論理実証主義の考えるような「帰納→理論→演繹」といった機械的な手続きで行なわれるのではなく、科学者の発見した仮説を検証(反証)するものだ。では、その仮説はどうやって発見されるのか。そこには論理はないのか――これは分析哲学の最大の難問であ
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