「将来の夢がない」「何になりたい? どんな仕事がしたい? と言われてもわからなくて困っている」と悩む子ども・若者が溢れかえっている――この問題に対して異なる処方箋を示す2冊の本がいま、注目を集めている。 ひとつは高部大問『ドリーム・ハラスメント』(イースト新書)。リクルート勤務を経て多摩大学で事務職員として日々大学生や高校生と触れ合う著者が「夢を持てと強要するのはハラスメントである」と訴え、保護者や教師、企業の人事が若者の夢の内容を値踏みし、干渉することが若者を苦しめている、と語る。 もうひとつは池上彰監修『なぜ僕らは働くのか』(学研プラス)。「こんな仕事がある」と紹介する職業図鑑ではなく、そもそも「なぜ働くのか」にフォーカスし、「働くことの意味・意義とは?」「仕事を選ぶときに軸になるポイントは何か?」を掘り下げた、30万部超のベストセラーだ。 『ドリハラ』著者・高部氏と『なぜ僕』担当編集