日本最西端の島、沖縄県・与那国島(与那国町)に陸上自衛隊の駐屯地と沿岸警備隊が創設されて1年余が経過した。中国の海洋進出をにらんで南西諸島の防衛力を強化するものだ。住民に溶け込んだ自衛隊の存在は過疎化が進む町に「安心」だけでなく「活気」ももたらした。「国境の砦」の島は大きく変わった。 与那国空港から車で約10分。赤茶色のレンガと白色の外装に統一された駐屯地の施設にたどり着く。建物は大自然を抱く島の景観に配慮された。ゲンゴロウなど島の貴重な動植物を保護するために敷地内にビオトープ(生息・生育空間)も設けられた。施設近くでは与那国馬たちが草をはむ。 沖縄本島から南西へ約510キロに位置する与那国島。北に約150キロにある尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺では、領有権を主張する中国の公船が領海侵入を繰り返している。 昨年3月28日に創設された与那国駐屯地では約160人が任務にあたり、沿岸監視隊が周辺海