『ベスト・キッド』には教育の本質がある。旧作の新作の二作がるんだけど、二作とも先生が生徒に「それがどう役に立つのか分からないこと」を教える。旧は車を磨かせ、新は服をハンガーに掛けさせる。生徒は、それがどう役に立つのかを先生に聞くが、しかし先生は教えてくれない。それでも生徒が我慢してやっていると、ある日それが役に立つことが突然分かる。その瞬間、生徒は「ヘウレーカ!」という顔をする。「ヘウレーカ」というのはアルキメデスがアルキメデスの原理を発見した時に発した言葉とされるが、人間が何かを分かった瞬間の喜びを概念化した言葉でもある。このヘウレーカが大切なんだな。このヘウレーカが学ぶことの喜びで、これを知ると、生徒が学ぶことにポジティブな人間に成長するんだ。だから、ヘウレーカを味わわせるために、先生は「どう役に立つか」を教えてはいけないし、生徒はそれが分からないまま我慢しなければならない。教育の効果