<1>化学物質過敏症 防毒マスクを手に化学物質過敏症について語る女性。急な症状に備え、外出時は手放せない 「においがないほどの微量でも、消毒液で気分が悪くなることがあるんです」 防毒マスクを首からぶらさげた県内在住の50歳代女性は、困惑した表情で訴える。化学物質に反応して体調が崩れる「化学物質過敏症」を患う。急に症状が出る場合に備え、外出時には防毒マスクが手放せない。 女性が化学物質過敏症の疑いを診断されたのは約15年前。視界がぼやけ、微熱がなかなか下がらない症状が続いていた。当時、自宅で床にワックスを塗っていると、急に心臓が痛くなり、「死ぬかと思った」と振り返る。今ではわずかな合成洗剤や柔軟剤のにおいでせきが出て、頭が痛くなる。 コロナ前から生活の苦労は絶えない。家の中に化学物質を持ち込まないように、衣類は外出用と室内用で徹底して分ける。電車やバスなどは、長時間利用しない。においが気にな
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