日本の食と農の政策が、ポジティブな方向に動き出しています。農林水産省は今年の3月に、2050年までに有機農業の農地を全体の25%に増やす目標を含む、新たな農業戦略(「みどりの食料システム戦略」)を発表しました [1]。 目標を実現するための課題や、有機農業を広めるにあたって私たち一人ひとりにできることについて、専門家の印鑰智哉(いんやく・ともや)さんに、お話を伺いました。 「みどりの食料システム戦略(以下、「みどりの戦略」)」とはなんですか? 農水省が発表した、2050年までに、下記のような目標を達成するという農業戦略です。 有機農業を全体の農地の25%(100万ヘクタール)に拡大する化学農薬の使用量(リスク換算)を50%減らす輸入原料や化石燃料を原料とした、化学肥料の使用量を30%減らす なぜ新たな戦略がつくられたのでしょうか? 「みどりの戦略」が始まった理由の一つには、有機農産物でない