背景・ねらい 通常、畑作物を栽培する際には作物が吸収する以上の窒素を施します。サツマイモは昔からやせ地でもよく育つ作物として知られ、窒素吸収量が施肥量よりもはるかに多く地力消耗型の作物と思われていました(図1)。近年、15N(重窒素)自然存在比の測定によりサツマイモにおける空中窒素固定が示され、その窒素固定能力の評価が進んでいます。もし、サツマイモがマメ科作物同様に空中窒素固定をしているとすれば、植物体内に窒素固定細菌が存在するはずです。そこで、サツマイモの茎部より内生窒素固定細菌を分離しその生息を確認するとともに、窒素吸収量に対する固定窒素の推定寄与率を求めました。 成果の内容・特徴 サツマイモの茎部より内生窒素固定細菌Klebsiella oxytocaを種レベルで分離同定することに国内で初めて成功しました。 Klebsiella oxytocaは極めて生育の早い細菌で、窒素固定能を有