『ドキュメント 戦争広告代理店』という本をご存知だろうか。 2000年に放送された『NHKスペシャル 民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~』の番組をもとに2002年に出版され、その年の講談社ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞をW受賞した名作なので、タイトルだけでも目にしたのことのある人は多いかもしれない。 著者は、この番組を担当した現役のNHKのディレクター・高木徹(現在はNHKグローバルメディアサービス国際番組部所属)で、自身が手掛けた番組をベースに、臨場感溢れる国際情報戦をドキュメントした内容となっている。 「戦争に広告会社やPR会社が関わっている」と聞いても、まるでアメリカのスパイ映画のようで、正直なかなか現実感を持てないかもしれない。 戦争や平和を道徳的・倫理的な側面で語ることの多い私たち日本人にとって、それは仕方のないことだ。 しかし実際の戦争というものは、もっと現実的に、より構
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