「社員は“家族”ですから…」 数年前、ある会合でそのトップは自慢げに語っていた。 自分がどれだけ社員のことを考え、どれだけ大切にしているかを彼は“家族”という、実に便利な言葉で表現したのだ。 ところが、その会社でリストラがあった。大規模というほどのものではなかったし、表向きは希望退職を募ったものだった。だが、実際は生産ラインの従業員にターゲットを絞ったクビ切りだった。 家族に、リストラはあるか? なくはない。 たとえば、 「うちの家計が厳しくなったから、お兄ちゃんは早めに独立してもらえるかな」 そんな相談を子供にする家族だって、あるかもしれない。 あるいは、 「弟や妹を高校までは行かせてやりたいから、お兄ちゃんは卒業したら就職してくれ」 そんな具合に子供に頼む家族だって、あるかもしれない。 だが、大切な子供に理不尽に「出ていってくれ」と促すことはない。 たいていの父親(あるいは母親)は、
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