いつもと同じ日曜日の朝。 紅茶を飲みながら携帯をチェックした。 フロリダのゲイクラブ銃撃のヘッドラインでニュースフィードが埋め尽くされていた。 「死者20人」という数字はどんどん増えて、午後には「死者50人」になっていた。 イスラム教徒であるオマル・マーティン容疑者がゲイを嫌悪していたという証言も出てきた。 そんな悲しいニュースと共に、ネット上は醜い言葉で溢れていた。 多くの人たちは怒りの矛先をイスラム教徒へと向けた。 携帯の電源を切った。 正直、あまりのショックに頭の中が真っ白だった。 6月、トロントはプライド月間を盛大に祝っている真っ只中である。 プライドが抗議デモから祝典に変わったのは、それだけ社会が変わったという証拠だ。 しかし、2016年にフロリダのゲイクラブで50人が銃殺されたというニュースはそれを揺るがすには十分だった。 その場にいた人たちのことを考えただけで胸が痛んだ。 時