この文章、科学に疎い人が真面目に読み込んだらおそらく致命的に間違った価値観を抱きかねないのではと思います。 たとえば、遺伝子組み換え作物のリスク評価にかかわる部分において自然科学的な側面に限ってみても固い科学のモデルは、科学知識の「状況依存性」を無視している点で誤っている。ここで状況依存性とは、科学知識の主張はつねに、対象自体の固有の性質はもちろんのこと、研究のために選ばれた特定の専門分野、理論やモデル、実験デザイン、測定法、装置、実験や測定の条件など特定の状況下で妥当性が検証されたものであり、その状況を越えてどこまで妥当するかア・プリオリには決定できないということである。 (P150より引用。「妥当するか」は原文ママ。ア・プリオリとは「自明に」という意味。) 一般論というかこの辺は確かにそうなのですが、実験すべき求められてる状況が分かってるのなら、それを意図した実験デザインは十分可能で、