輪十や丸一など正規に流通された刻印銭がある一方で、私的な記念物として刻印を打たれた寛永銭が存在します。その多くが上棟式のときの撒き銭で、なかには諏訪大社の上棟銭のように歴史的な素性がほぼはっきりしているものもありますが、ほとんどが規模の小さい個人的な記念銭です。 その他にも銭全体を金銀でメッキした鍍金(銀)銭・鍍白銭や、お遊びでつくったと思われる戯作(加工)銭などを紹介します。 上棟銭 春宮 諏訪大社 【評価 5】 文政年間(1820年代)に諏訪大社の春宮改築の際の上棟銭。この手の刻印銭は贋造が容易なため注意が必要です。春宮、秋宮、春一~春四、秋一~秋四までの贋造刻印銭が最近市中に出回っており、私もひっかかりました。贋造銭は打刻が新しく、深く打たれています。掲示品は磨かれていて、時代の確認ができませんが刻印は多分間違いないと思います。ご参考までに・・・。 上棟銭 春