米国農務省(USDA)によると、2020年12月の生乳生産量は、前年同月比3.1%増の859万1000トンとなり、7カ月連続で前年を上回った(図16)。 米国の生乳生産量は、乳価が比較的堅調に推移する中、搾乳牛(乳用経産牛)頭数および1頭当たりの乳量の増加を背景に、2019年後半から増加傾向となっており、2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による流通面での混乱などの影響を受けた5月を除き、前年同月を上回って推移した。 乳製品の卸売価格は4、5月に大きく下落した一方、政府によるコロナウイルス食料支援プログラム(CFAP)の食品買い上げ配給プログラムなどにより、チーズの需要減退が一定程度に抑えられたことなどから、主要な乳製品の中でもチーズの卸売価格は6月以降、変動を繰り返しながらも高水準で推移している。その結果、総合乳価は、4、5月に大きく落ち込んだものの、6月以降