中学生の時の国語の教科書に載っていた、孟子だか孔子だか、それとも論語だか、現代文だか漢詩だったかも、もうわからないその文章が、私の価値観に影を落としている。 その内容はだいたいこんな感じ。 師匠が亡くなって、その弟子たちか、師匠の眠る周りでおいおいと泣いている。 しかし師匠を思い憐れんで泣いている者は1人もいない。 みな『師匠を失った自分』を憐れんで泣いているのだ。 なんて自分勝手で傲慢で我儘なのだろう。 7年前、父が亡くなった時、父にもう会えない悲しさで泣くことは、自分勝手な感情だと思って素直に泣くことができなかった。 父は自ら死を選んだのだから、父の意思を尊重することが『父を思うこと』だと思った。父の死を『悲しい』と感じるのはのはわたしの身勝手な感情だと感じ、封印した。 ただ、死んだ父のことは心配だった。 世の中の『霊能力者』はみな、自殺すると成仏できないとか、地獄に落ちるとか、死んだ