どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 (株)明治のフォローアップミルク「明治ステップ」(850g缶)の一部の製品から放射性セシウムが検出され、「取り替え」が6日から始まった。 明治のお知らせ 乳業メーカーには問い合わせが相次いでいるそうで、マスメディアも大々的に取り上げている。不安に陥っている人も多いだろう。でも、誤解が誤解を呼んで「けしからん」になっている面もあるように思える。事実関係を整理しておきたい。 (1) 取り替え対象の「明治ステップ」は、フォローアップミルク テレビや新聞等では「乳児用粉ミルク」と表現されていることが多いようだが、粉ミルクには、母乳代替
■明治の粉ミルク「ステップ」からセシウム、40万缶無償交換(ロイター - 12月06日) 明治ホールディングス<2269.T>傘下の食品大手、明治は6日、同社の粉ミルク「明治ステップ」(850グラム缶)から1キログラム当たり21.5─30.8ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを明らかにした。広報担当者によると、噴霧乾燥する際に使った熱風に一部放射性物質が混入したとみられる。 国が定める粉ミルクの暫定基準値は1キログラム当たり200ベクレルで、今回の検出量はこれを下回っている。 セシウムが検出されたのは賞味期限が2012年10月4、21、22、23、24日の製品で、同社は同3、4、5、6、21、22、23、24日の製品約40万缶を無償交換する。 ◇ また例によって「検出された」からといって、騒ぎが起きているわけなんだが。 この検出をどう評価すればよいのか、考えてみよう。 まず最初に、こ
「福島市大波地区の玄米から規制値越えの放射性セシウムを検出」の報道をめぐって、目についた反応を急いでまとめました。 11/16 新聞、テレビの報道 11/17 福島市大波地区産のコメに対し出荷制限指示 11/19 福島県による大波地区の米農家全154戸の流通状況調査が完了し、大波地区産のコメは一般消費者には全く販売されていなかったことが確認されました。 続きを読む
Radioactive cesium activity concentration in marine products after Fukushima nuclear disaster (2) ~9/30 Keyword : 水産物 海産物 魚貝 淡水魚 放射能 放射性セシウム 汚染 検査 結果 まとめ 地図 グラフ Photo (Top) : Sea Plane ( de Havilland Canada DHC-6 Twin Otter ) * 11/1から、水産庁は、検査結果をこれまでのpdfではなく、xlsで公表するようになった。 http://goo.gl/5JqAp (これをほかの表にコピーすると、H列とJ列の間にあるI列「採取日」を見られます。) * 前回のグラフ(26種)はこちら。 その3(41種)はこちら、最新版はこちら。 商用目的・商用サイトを除き、図表の無断引用・転
◇給食1食分ミキサー検査を--東京大学大学院・理学系研究科教授、早野龍五 東京電力福島第1原子力発電所の事故で設定した緊急時避難準備区域の指定を政府が9月末に解除し、各地で除染への取り組みが進む。その中で多くの方々が放射性物質により汚染された食材による内部被ばく、特に子どもへの影響を心配しておられる。 厚生労働省のホームページには自治体が公表した各種食材に含まれる放射性物質のサンプリング検査結果が連日掲載される。また、給食食材のサンプリング調査結果を公表する自治体も増えている。 しかし「不検出」とされた食材にも実際は1キログラム当たり数十ベクレルの放射性セシウムが含まれているのではないか、基準値以上の放射性物質を含む食材がサンプリング検査をくぐり抜けて流通しているのではないか、などという不信は根強い。 そこで提案したいのが、食材のサンプリング検査に加え「給食まるごとミキサー検査」を行うこと
専門家ゲスト:安斎育郎さん(立命館大学名誉教授・放射線防護学) ゲスト:室井佑月さん つるの剛志さん リポーター:小林孝司アナウンサー 出演者の関連情報はこちら 福島第一原発事故から7か月たった今でも消えないのが、食への不安。子供を持つ母親を中心に、食への不信感が根強く残っています。そこで「あさイチ」では、「日本列島食卓まるごと調査」と題し、大規模な全国調査に乗り出しました。全国各地のご家庭にご協力いただき、一週間のあいだ食卓に上った食材を、まるごと放射線の検査にかけ細かく分析してみました。すると明らかになった、常識を覆す驚きの数値とは・・・? 食卓まるごと調査とは? 参加者は? 今回調査にご協力いただいたのは全部で7家族です。 福島からは、郡山・須賀川の2家族。 郡山のご家庭は、地元福島の農家を応援したいと、なるべく地元の野菜を買うようにしています。 しかし、9か月になる赤ちゃ
玄米のセシウム汚染濃度 福島、国係数の1割以下 福島第1原発事故で放出された放射性セシウムによる福島県内の玄米汚染濃度は、国が設定している移行係数(0.1)の10分の1以下にとどまることが6日、東北大大学院農学研究科の南條正巳教授(土壌立地学)の解析で分かった。土中に含まれる放射性セシウムが玄米へ吸収される割合が比較的小さいことを裏付けた形だ。 解析に使ったのは、農林水産省が8月30日に発表した土壌汚染データの福島県分のうち、作付け制限地域以外で原発から距離が近く、サンプル数が多い二本松、伊達、本宮、川俣、大玉、郡山、田村、いわきの8市町村分(64地点)。玄米の方は福島県が実施した調査の8市町村分計308サンプル(9月30日現在)を使用した。 その結果、64地点の土壌1キロ当たりの放射性セシウム濃度は、最大で4833ベクレル(本宮市の1地点)、最小は225ベクレル(いわき市の1地点)。
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 東京大学大学院理学研究科の早野龍五教授が、twitterを通して「給食の放射能調査を」と呼びかけている。 早野教授は、福島第一原子力発電所の事故直後から、twitterでさまざまな情報を提供しており、特に適切な一次情報を迅速に、コメント付きで教えてくれることで信頼を集め、今では約14万人のフォロワーがいる。 早野教授は9月上旬、給食の放射能調査を提案し、ネットでアンケートを実施した。そして、結果を先日公表した。教授の提案、そしてアンケート結果は、食の安全・安心を考えるうえで極めて興味深い。その提案の意味を考えてみたい。 ●知り
東京電力の原発事故以来、日常的に「放射性物質」というものに向き合わなければならないようになりました。 わたしは原発から比較的遠い地域(東京)に住んでいるため、環境中の放射性物質よりも、子供の口に入る食品中の放射性物質が気になります。 個人的にもっとも気になる2点、 −どのような食べ物から、どれくらいの放射性物質が検出されているのか? −何を、どれくらい食べたら影響が出るのか? について、わたしなりに調べてみた結果をまとめてみます。 どのような食べ物から、どれくらいの放射性物質が検出されているのか? 食品中の放射性物質の量は、自治体等によって検査されています。 そして、その結果は以下で見ることができます。 農林水産省/厚生労働省(食品中の放射性物質の検査結果) 毎日更新されているので、気になる方はこのサイトをブックマークしておいて、ときどきチェックしておくといいかもしれませ
だいぶ遅くなったが、飲食物の基準値の意味について、自分なりにまとめておこうと思う。 なお、ここで書く事は、単に下のリンクを私なりに解釈しただけのものであって、私のオリジナルでも何でもありません。 http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110325sfc&fileId=160 現在の基準値は、以下のようになっている。 ■放射性ヨウ素(Bq/kg) 飲料水 300 牛乳・乳製品 300 野菜類(根菜・芋類を除く):2000 魚介類 2000 ※乳児用の飲料水 100 ■放射性セシウム(Bq/kg) 飲料水 200 牛乳・乳製品 200 野菜類(根菜・芋類を除く) 500 穀類 500 肉・卵・魚・その他 500 この基準値に対しては、だいたい以下
1986年のチェルノブイリ事故の後、多くの放射性核種について環境挙動や 被曝線量の見積に関する研究がなされてきた。こうした中で、森林生態系に取 り込まれて土壌中に蓄積した放射性セシウムが、キノコに特異的に濃縮するこ とが明らかとなってきた。ヨーロッパを中心として10,000 Bq/kg(乾)以上 のセシウム-137濃度が数多く報告された。キノコ中の放射性セシウムに関する 研究は、二つの面から重要である。まず、キノコを食用とする国では、キノコを 通して人体に取り込まれる放射性セシウムの量を明らかにする必要があること。 そして、キノコを形成する菌類は森林中の物質循環に大きく関与しているため、 放射性セシウムの挙動に関しても大きな役割をはたしている可能性があることで ある。 ◆研究例◆ 日本のキノコに関するデータがほとんど無かったため、筆者らは日本各地から 野生キノコを中心に124種(284試料
秋は、サンマ、サバ、イワシなどの回遊魚が旬を迎える季節。しかし、今年は、福島第一原子力発電所の事故による水産物への放射性物質の影響を心配している人もいることだろう。 海外各国は、日本以上に日本の水産物に厳しい目を向けている。8月11日、EUの欧州委員会が、福島第一原子力発電所事故を受けて、日本から水産物を輸入する際に、放射性物質の検査を強化するようEU各国に勧告したことが分かった。 さらに欧州委員会は、日本以外の国が日本近海を中心とする海域で漁獲した水産物も検査対象とし、回遊性の高い魚については遠洋で獲った場合でも厳密に検査を行うのが妥当、という判断をした。 日本近海の水産物に神経をとがらせているのは、EUだけではない。農林水産省がまとめた「諸外国・地域の規制措置」 によると、8月26日時点で、中国は、福島周辺の10県で獲れた水産物を輸入停止とし、それ以外の県で捕れた水産物も、政府が作成し
残念ながら、検出下限値については手元に資料がないということでしたので、次回の更新時には必ず検出下限値を記載するようにお願いしておきました。でも、放射性セシウム(Cs-134とCs-137の合計)として2.1Bq/kgという低い数値が出ているので、それ以下であることは間違いありません。 今回の独自調査では、同じ田んぼの土壌の放射性セシウムのデータも記載してありました。これも担当者に稲体を取った同じ田んぼかと確認しましたので、単に地区が同じ別の田んぼということはないはずです。1対1に対応していると考えていいはずです。 従って、土壌の放射性セシウムが稲体への移行がどれくらいであるか、という移行係数が求めることができます。それを計算したのが上の表の一番右の部分です。6地区のうち、稲体の放射性セシウムが検出限界以下だった米山町を除いて5地区の平均で、0.050です。 繰り返しますが、これはあくまで土
ふう。ここのところ書けずに苦しんでいた論文はやっと英文校閲には出せました。「でも本当の苦しみ(査読)はこれからだ!」とか言わないでくださいね後生ですから。これからまたSドク者によるMニュスクリプトへの言葉責めプレイが待ち受けているかと思うといまから気が重いです。 それはさておき: 2011(平成23)年7月26日に開催された、第9回放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ(以下WGと略)による評価書(案)を読みました。 評価書(案)を含む会議の資料はこちら: http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110726so1 この評価書は全230ページですが、殆んどの部分は過去研究の網羅的レビューであり*1、WGによる議論の実質的な部分はp219-223の部分の正味5ページ分だけとなっています。 この評価書を一読した
1. 日 時:平成23年8月2日(火) 10:00-12:00 2. 場 所:食品安全委員会事務局 中会議室 (東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル22階) 3. 主 催:食品安全委員会 4.議 事 (1)開会 司会 北池 隆 (内閣府食品安全委員会事務局勧告広報課長) (2)開会挨拶 小泉 直子 (内閣府食品安全委員会委員長) (3)事務局からの説明 「意見交換会の進め方、評価経緯について」 新本 英二 (内閣府食品安全委員会事務局 リスクコミュニケーション官) (4)講演 「放射性物質に係る食品健康影響評価案の概要」 山添 康 (内閣府食品安全委員会放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ座長) (5)質疑応答・意見交換 進行 新本 英二 (6)閉会
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