「広場」を生み出す演劇の可能性――テアター・デア・ヴェルトの事例から 藤原ちから 編集者、批評家、フリーランサー 社会 #SYNODOS演劇事始#テアター・デア・ヴェルト#広場 マンハイムのホテルでは、トルコから来たチームとしばしば朝食を共にした。彼らの作品は、イスタンブールのタクシム広場を題材にしていた。「日本にはそもそも広場がないからね……」とわたしが嘆くと、「じゃあいったい、君たちはどこでデモをするんだ?」と驚かれた。 広場がない、という言い方は正確ではない。皇居前広場を始めとして、小さな駅前広場に至るまで、各地にスペースは点在している。だが、西洋的な意味での広場、すなわち、デモであれ魔女裁判であれ、多様な民族・言語・宗教からなる公衆たちが数々の祝祭的・政治的な行為を果たしてきたという意味での広場は、日本にはおそらく未だかつて存在した試しがない。 南ドイツのマンハイムに滞在し、舞台芸
![「広場」を生み出す演劇の可能性――テアター・デア・ヴェルトの事例から/藤原ちから - SYNODOS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0c1bc659682076ffd32c7c69967e474dba710cf5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsynodos.jp%2Fwp2%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F06%2F01-2.jpg)