何から記していいのか、正直わからない。書き手として、こんな定まりもない状態で筆を執るのは失格でもある。 ただ、彼がサッカー界で残してきた功績や存在感、そして個人的に彼に触れては感じてきた多くの感情や思いを考えると、やはり留まっていることはできなかった。 11月23日。久米一正氏が大腸がんのため亡くなった。63歳だった。 最後の役職は、清水エスパルスの取締役副社長兼GM。2003年から4年間強化部長を務めた古巣に、今年1月に返り咲いたばかりだった。 サッカーの世界では、知らない人間は“モグリ”と言われるような有名人。今回の訃報には、これまで深く関わり合ってきた吉田麻也や岡崎慎司ら、数多くのサッカー選手たちも哀悼の意を表している。 とはいえ世間的には知る人ぞ知る人間ではあるため、ここではこれまでの経歴を紹介しなければならない。 静岡県浜松市出身。中央大から1978年に日立製作所に入り、サッカー
![久米一正がサッカー界に遺したもの。「情熱とビジネス感覚の両立を」(西川結城)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bd7f9d81ebdbd24cb0ac49a1ef3f2d140cff75c0/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fc%2F8%2F-%2Fimg_c8010f6c1713f911cfc7e8125a3db7a581179.jpg)