小児集中治療室(PICU)を持つ国内二十三の医療機関で二〇一三年に人工呼吸器を付けて治療を受けた子どもの4%超に当たる約百九十人に対し、禁忌とされる鎮静剤プロポフォールが投与されていたことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。 プロポフォールは添付文書の禁忌事項で、集中治療下で人工呼吸中の子どもへの使用禁止が明示されている。ただ、実際には医師の判断で使うこともあり、昨年二月、東京女子医大病院で投与された二歳男児が死亡する事故が発生。事態を重く見た研究班が同十二月、PICUのある全国二十九施設の一三年のプロポフォール使用状況を調べた。 有効回答があった二十三施設で、PICUに入室し人工呼吸器が必要だった十六歳未満の子どもは計四千二百八十三人。うち七施設で計百八十九人にプロポフォールを使用していた。この中の三施設では計八人に対し、海外の文献などに基づき医師の間で使用の目安とされ、重い副作用を招
新国立競技場建設の費用負担をめぐり八日、国と東京都が事務レベル協議を始めることを決めたが、都の負担額で調整の軸となるのは、国が要請してきた約五百億円だ。大会組織委員会会長の森喜朗元首相は石原慎太郎元知事の時代から都に負担を要請してきたとするが、石原氏は本紙の取材に「(森氏と)話したことはない」と明言。納税者の目が届かないところで、何が決められてきたのか。 (北爪三記、沢田敦) 「東京都も少し負担してくれてもいいんじゃないかという話になったのは石原さんの時代からなんです」。森氏は六月三日に都内で開かれた講演で、費用負担の経緯を語りだした。日本体育協会長を務めていた森氏は、当時の石原知事と頻繁に会っていたという。 五輪招致に失敗した二〇一六年大会は、都が主会場を中央区晴海に建設する計画だった。国際オリンピック委員会に提出した立候補ファイルによると、建設工事費は八百九十八億円。「その時は国と都で
日銀の量的・質的緩和政策は丸二年を迎え、当初の「二年で2%の物価上昇」目標は達成しなかった。日銀は金融政策の効果を分析し、約束を実現できなかったことの説明責任を果たすべきだ。 異次元の金融緩和は壮大な社会実験ともいわれたが、明らかになったのは金融政策で物価をコントロールするのは困難ということだ。安倍晋三首相の政策ブレーンといわれるリフレ派は「物価は貨幣現象であり、マネーの量で決まる」と主張してきた。貨幣(マネタリーベース)は約束通りに二倍に増えたが、物価は二年たっても、ほぼ横ばいなのである。 日銀の異次元緩和はこうだ。黒田東彦総裁は二〇一三年四月、資金供給量を二年で二倍に増やす大規模緩和を導入、「二年程度を念頭に2%の物価上昇を達成する」とした。期限をコミットメント(約束)することで、人々の物価上昇への「期待」に働きかける効果も狙った。 行き過ぎた円高が是正され、円安と株高が大幅に進んだ。
厚生労働省は八日、医療保険制度改革の骨子案を自民党の合同会議に提示、了承された。大企業の会社員が入る健康保険組合(健保組合)の負担が増え、七十五歳以上の高齢者の保険料軽減特例が廃止される。紹介状なしで大病院を受診した際の負担金も新設されるなど医療費抑制のための負担増が各世代に広がる。一方、赤字が続く市町村の国民健康保険(国保)の運営と地域医療の提供責任を都道府県に担わせることで高齢化に備える体制づくりを目指す。同省は関連法案を通常国会に提出する。 (鈴木穣) 七十五歳以上の後期高齢者医療費の四割は、健保組合や中小企業従業員が入る全国健康保険協会(協会けんぽ)など現役世代が支援金として負担している。現在は加入者数を中心に算定しているが、二〇一七年度から所得に応じて負担する方法に改める。平均所得が比較的低い協会けんぽの支援金負担は二千四百億円軽くなるが、健保組合は計千五百億円、公務員らの共済組
【ソウル=中村清】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第一書記の暗殺計画を描いた米国のコメディー映画「ザ・インタビュー」が、北朝鮮当局の取り締まり強化にもかかわらず、韓国に住む脱北者を通じて既に北朝鮮内部に流入していることが分かった。北朝鮮向けラジオ局「自由北韓放送」は二十九日、映画を見た北朝鮮住民らの「統制された映画を見ること自体が恐ろしかった」などとする声を紹介した。 自由北韓放送の金聖〓(キムソンミン)代表によると、韓国の通信サービスを中国経由で利用できる携帯電話を持つ北朝鮮の住民が、脱北者の情報をもとにネット上で映画を観賞。ソニーの米映画子会社によるネット動画公開(日本時間二十五日)からわずか二日後の二十七日には流入したという。 映画を見た別の住民は「金正恩をおとしめていることに拒否感を感じる。(金第一書記は)偉大だと教育されてきたわれわれは侮辱と受け取る」と指摘。一方で「外国人記者が
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