イランは攻撃せざるを得なかった。シリア・ダマスカスで在外公館が攻撃されたと主張する以上は報復しなければ顔が立たない。保守強硬派中心のライシ政権では尚更だろう。 一方で、イランがイスラエルを直接攻撃することについては疑問視する声が多かった。これまでのイランの戦略は「アメリカやイスラエルと対立はするが、戦うのは国境の外」が基本だったからだ。それゆえ過去も「レバノン、イラク、イエメン、シリア、パレスチナに存在するイラン代理勢力が、中東にあるアメリカやイスラエルのアセットを攻撃する」というパターンが中心であり、イスラエル国内(そしてもちろんアメリカ国内)への直接の攻撃は避けてきた。イラン国内への軍事行動を招きかねないからだ。 ただ「ではイランはどこを攻撃するのか」は、今ひとつ見えてこなかった。同じレベルの報復をするならイスラエルの在外公館を狙うことになるが、駐在国の反発を招く。中東海域でイスラエル