五年ほど前、本屋の中をウロウロしていたら、渡部昇一がハイエクについて書いた新刊本があって、パラパラとページを捲った記憶がある。ちょうど小室直樹とか副島隆彦とかが資本主義のキリスト教原理主義的本源性について説教している頃で、弱肉強食こそが資本主義の本質で、勝ち組と負け組に分かれるのが資本主義では当然なのに、戦後の日本人は資本主義を誤解していたのだなどと偉そうに愚論を垂れていた。小室直樹や副島隆彦の話は、資本主義の歴史的発生から新自由主義を弁証するプリミティブな議論だったが、ウェーバーや大塚久雄を一度も読んだことのないサラリーマン向けの三流ビジネス本の商品の趣があった。新自由主義が世の中の支配的思想の地位を占めたことを宣伝する低俗教化本であり、これからは日本も新自由主義の経済政策で舵取りしますから、皆さんは負け組となって低所得と低福祉の耐乏生活をしてもらいますという宣告の本だった。渡辺昇一のハ
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