福井淳哉さんの『和様の美――かな古筆名跡便覧』(淡交社、2013年2月)を読んだんですが、これかなりひどい本ですね。びっくりしました。というわけで、そのひどさについて書きたいと思います。なお、手元にあるのは2013年2月14日付けの初版です。主に取りあげるのは主要部である「第三章 かな古筆名跡便覧」。かな古筆の作品を五十音順に並べ解説を加えている章です。 一番の問題は、解説される古筆に重複があると思われること。この点ついてはすでに指摘がなされています。「下絵万葉集切」 - Cask Strength。p117からp118の下絵万葉集切2点は同じものではないのかというお話。断定されていませんし、私も調べていないので断言できないのですが、おそらく重複ということでいいと思われます。というのも、他にも重複だと思われるのがあるんですよね。そういう作りの本なので、可能性は高いでしょう。私が気づいた他の