湯川秀樹博士らが創刊、朝永振一郎博士のノーベル賞論文も載った世界トップ水準の専門誌だが、出版経費の確保が年々難航。 益川さんらは支援を訴えている。 学術誌「プログレス・オブ・セオリティカル・フィジックス」(理論物理学の進歩)は通称「プログレス」と呼ばれ、終戦直後の紙不足の中、日本の研究成果を海外に発信するため英文の学術誌を出そうという湯川博士の呼びかけで、1946年夏に発刊。朝永博士が「くりこみ理論」の論文を創刊第2号に発表し、65年にノーベル賞を受けた。 小林さんと益川さんの論文は73年に掲載。その後、世界中の研究者に引用され、昨年1年間だけでも引用数は5264件に達する。 発行部数は800部と少ないが、購読者は欧米など世界中におり、現在は京都大・湯川記念館内の理論物理学刊行会が年12回発行。 だが、年間約6000万円かかる出版経費のうち、数年前には約半額を賄っていた日本学術振興会の補助