オレがサンクコストを捨てまくってきた話(その3)

今や、AIを活用してソフトウェア開発すること自体は一般的になり、一種のブームと化している。 しかし、Web上で見かけるのはワンショットでテトリスを作る程度の小規模なプロジェクトの話がほとんどで、驚けるものの、正直あまり実用性は無いように感じる。 俺たちが本当に知りたいのはテトリスの作り方じゃねえ!現実の中規模以上のシステム開発で、いかに楽に良いものを作れるかだろ! ということで、まずは弊社から現時点のノウハウを全公開しようと思う。 弊社ではCursorを1年以上活用(サービスがGAになったタイミングから全社員で利用)しており、一定のノウハウを蓄積してきている自負がある。ただ、あくまで一例ではあるので、ぜひみなさんの現場での活用事例も共有してほしい! 免責事項AIエディタでの開発は、LLMとAIエディタの進化に伴い、常に変化している。 そのため、この記事で述べる方法論は、現時点での、弊社での
こんにちは、カイテクでエンジニア責任者を務める岩本です。 突然ですが、皆さん、D/D/Dという指標をご存知でしょうか?これは「Deployments/Day/Developer」の略で、開発者一人あたりの一日あたりのデプロイ回数を表し、開発組織のパフォーマンスを測る重要な指標の一つです。 先日、2025年1月のカイテクの開発組織でこのD/D/Dを計測したところ、なんと「1.32」という数値を記録しました。業務委託は稼働時間を(勤務日数x勤務時間8時間)で割った値をEng一人として換算しています。一般的に、D/D/Dが0.1あれば健全な組織と言われるようです。この数字をみてみるとカイテクの開発組織は、極めて高いパフォーマンスを発揮しているようです。 一言断っておきたいのは、私たちはこれまでD/D/Dを意識的に追い求めてきたわけではありませんし、これからも追いかける指標ではありません。しかし、
PayPayの6年の歴史の中で、私たちは急速な成長を遂げてきました。現在、6700万人以上のユーザーにサービスを提供し、日々数百万件の決済を処理しています。しかし、これを成功させるためには、トラフィックと信頼性の要求を満たすための技術的な挑戦が伴います。 PayPayは設立当初からJavaとNodeJSを採用しており、これらの技術は非常にうまく機能してきました。しかし、成長に伴いサービスをスケールアップする必要が生じ、これによりKubernetesクラスターでのCPUとメモリの使用量が増加しました。これにはサーバーコストの増加が伴います。 2023年末、私たちはコアサービスでのトラフィックをより効率的に処理する方法を模索し始め、GraalVMやGo、Rustなどさまざまな技術を調査しました。Rustは、その優れたパフォーマンスとメモリの安全性が保証されていることから、PayPayの多くのユ
【PR】 2025.01.10 ITニュース 注目企業 データセンターも、クラウドも、ECサイトも……わざわざ自前で用意する必要のないこの時代に、圧倒的自前主義を貫く企業がある。国内売上2位のECサイト『ヨドバシ・ドット・コム』でもお馴染みの、ヨドバシカメラを展開するヨドバシグループだ。 膨大な時間とお金がかかる道をなぜあえて選ぶのか。その理由を、グループ全体のサービスをITで支えるヨドバシリテイルデザインの事業部長・戸田宏司さんは「目先の利益よりも10年後、20年後も愛されるサービスづくりが重要なんです」と語る。 国内家電量販店の中でも売上2位を誇る同グループだが、「10年後、20年後も愛されるサービスづくり」とは一体どういうことなのか。戸田さんに話を聞いた。 ヨドバシリテイルデザイン 事業部長 戸田宏司さん 1982年、小学生時代からプログラミングを開始。1998年、フリーランスとして
昨今、 Cline 等の AI エージェントによる開発支援を試されている方が多いかもしれません。 Ubie でも先日から Devin をトライアルしており、生成AIによる開発生産性の向上を模索している最中です。(この様子は下記記事によく書かれています) Devinはアウトプットを考えるとコストが安いとは感じますが、 Cline のようなローカルで動作するエージェントはさらに安く高速動作します。これらが Ubie の一定規模になったコードベースで動作するのか、どのようなツールが有力候補となりえるのかを軽く検証してみました。 TL;DR ローカルで動作するAIエージェントはコスト・速度・機能においてかなり活用しうる。今回は Cursor や Roo-Cline を使用して、「一定規模のコードベース」において「テストコード追加や簡単な改修」が数十~数百円程度のコストで実現 できた。ただし現状エン
結果的に1200行を越えましたが。 kilo 成果物はこれ↓ 参考サイトはこれです↓ インスパイア元↓ 感想 C言語は10年ぶりくらいに書いた 進めていくうちになんとなく思い出すことができた 最初にちゃんと授業で学んだ言語なので懐かしく思った Cに出会っていなければプログラミングしてなかったかもしれないので感慨深い しかしこのレベルのメモリ管理は正直たいへん 「この関数で確保したメモリはこっちの関数で開放されるので問題ありません」みたいな この調子でやっていったらバグる未来しか見えない 1000行・1ファイルというコンセプトは良いのだがファイル分けて管理したいナ〜〜と思った 配列や文字列の操作、メモリ管理がやりやすい別の言語で書き直したい Cを書くの大変だな…という感想を持った 速さはともかく他の言語で書きたい もっとimmutableに… お手本よりも行数が増えた 1行のif文などでもブ
カイテクのエンジニア責任者の岩本です 。 カイテクでは高速にリリースすることができています。実測してみたところ、2024年5月の機能のリリース回数は37回でした。当時は短時間勤務の業務委託の方たちがメインでフルタイム換算すると3.5人月程度でした。 (なお私は別の新規システム開発のため未カウント) お客様から不具合を報告された際にも、場合によっては当日中に修正完了の連絡をすることができています。利用者様からはカイテクは改善が早いと声をいただくことも良くあります。下記はその抜粋です。 「見ましたよ!あの機能いいですね!とても便利です」 「カイテクさんは、いつも本当にすぐに新しい便利な機能を増やしていてすごいですよね」 それなりに高パフォーマンスだと自負していますが、次のような体制・運営方針ですすめています。 カイテクでは仕様調整・設計・実装・テストができる自走可能なエンジニアのみでチームを構
Sansan株式会社 技術本部 Sansan Engineering Unit 部長 笹川 裕人 大学院でコンピュータサイエンスの博士号を取得後、リクルートを経て、2018年4月にエムスリーへ入社。AIチームでデータ基盤の整備と、バックエンド、クラウドインフラを担当。 2023年4月にSansan株式会社へ入社し、現在はSansan Engineering Unit 部長として営業DXサービス「Sansan」の強化を担う。 X Profile インボイス管理サービス「Bill One」や契約データベース「Contract One」など、近年続々と新たなDXサービスを立ち上げているSansan。それに伴ってプロダクト開発組織である技術本部も拡大し、いまや総勢500名のエンジニアと13のチームを抱える大所帯になっています。 一般的にプロダクトの数や組織の規模が急拡大すると、リソースが追いつかず
今回の記事は特に私の意見であり、所属会社の意見ではないことをお断りしておきます。 最近になってまたウォータフォール vs アジャイルの議論を見かけることが多くなってきたので、私が勤務する米国の世界規模のクラウドプロバイダーでは2024年現在どんな開発をしているのかをご紹介したいと思います。私はこれが「正解」といいたいのではなく、何らかのポイントが皆さんの何らかの参考になったらいいなと思って筆をとりました。 ちなみに、2016年時点で私のウォータフォール開発に対する考え方は下記のブログの通りで今も変わっていません。ただ、2024年現在だからといってアジャイルをやるべきと思っているわけでもありません。 もし、今ウォータフォールをやっている人がいたら「そんなこと言ってもどうしたらええねん」となると思うので、自分なりの解決方法も考えてみました。 最初に自分的な結論を書いておくと「2024年の開発と
しのゆー𝕏酒クズエンジニア @shinoyu 元ニューハーフ風嬢のタチリバくそオカマ / 顔面工事300万程度のおじさん / 新宿で社長やってるソフトウェアエンジニア18年生 / 💻技術🎧 V系 🎀ロリィタの人 / 170スペ113 スプリング、骨ウェーブ、顔ソフエレ / 原則IT関連業のみフォロー mixi.social/invitations/@s… しのゆー𝕏酒クズエンジニア @shinoyu わし詳細設計書書くのやだよ( ̄・ω・ ̄) 細かければ細かいほど仕様変わった時の変更が爆増してメンテコスト爆上がりする。かけるべきコストはそこじゃない。 必要なのは完成に必要要件がまとめられたもの。それを元に受け入れ試験書がつくられる。それクリアすればどう作ってようが構わんわけだ 改修コストを下げるための設計になってることは前提だけどね。 だけど、詳細設計書が必要となる現場はこの設計す
When we introduced a default setup for system tests in Rails 5.1 back in 2016, I had high hopes. In theory, system tests, which drive a headless browser through your actual interface, offer greater confidence that the entire machine is working as it ought. And because it runs in a black-box fashion, it should be more resilient to implementation changes. But I'm sad to report that I have not found
そうして「メモ帳」「天気予報」「パズルゲーム」... など色々アプリを作っている中で「自分のテスト勉強のためのアプリが欲しい」となり、自作の単語帳アプリを開発した。これが「暗記メーカー」の原型となっている。 また、書籍にアプリのリリース方法についても記載されていたこともあり、この頃からPlayStoreへのアプリの公開を始めた。 今でこそPlayStoreでは「20人のテスターを集めて14日間テストする」「開発者の身元確認」といったアプリを出すまでの工数がかかるものとなっている。ただ、当時は(確か)そういった制限は存在せず$25の登録料を払えばリリースし放題だったので、アプリが完成したらとりあえずストアに公開していた。 基本的に出したアプリは鳴かず飛ばずだったが、その中で「暗記メーカー」だけは定期的にダウンロードが発生していたため、ユーザからのフィードバック等を参考にアップデートを続けるよ
前振り タイトルは煽りの激しい釣りです。ごめんなさい。 Web業界で今流行っている自称スクラムと、RSGTで語られるような本来のスクラムとの間のギャップが大きすぎて説明が面倒臭くなったのでこの記事を書きました。 いい加減「私たちは自称スクラム開発を完璧に回しているから、スクラムの恩恵を将来得られるだろう」「私たちは本来のスクラムとはかけ離れた別物のスタイルで開発をしている。だからスクラムの恩恵は永遠に得られない」という二重思考を他人にするようお願いするのにも飽きましたしね。 さて本題といきましょう 本題 世間で、特に渋谷や五反田や六本木のWeb企業ではスクラムというものはとても流行っています。 しかしどう考えても、Web企業でよくお目にかかるスクラムと国内トップカンファレンスであるRSGTで語られるスクラムとの間には大きな隔たりがあります。 「うちはスクラムやってます」 カジュアル面談で耳
ヨドバシカメラは現在、お客様との接点をドメインとして設計する新たなAPIを開発中であることを、クリエーションラインが主催し10月27日に開催されたイベント「Actionable Insights Day 2023」で明らかにしました。 REST APIとして実装される予定のこのAPIについて同社は「ヨドバシスタッフの魂を注入する」としており、厳重なセキュリティやユーザーフレンドリーで高い利便性などが追求されています。 ヨドバシAPIがどのように設計され、開発、実装されていくのか。その中味が紹介されたセッションの内容を見ていきましょう。 本記事は前編と後編の2本の記事で構成されています。いまお読みの記事は前編です。 疎結合なのに一体感、ヨドバシAPIがつなぐ社会 株式会社ヨドバシカメラ 代表取締役社長 藤沢和則氏。 ヨドバシカメラの藤沢と申します。本日はまずこの貴重な機会をいただきありがとう
こんにちは。BASE株式会社上級執行役員SVP of Developmentの藤川です。2023年のアドベントカレンダーも実施したいと思っており、この記事が1日目になります。 自分自身がBASE社に正式ジョインしたのは2014年8月、取締役CTOとして入社しました。僕は2代目のCTOですが、その後、3代目にCTOを渡し、今では上級執行役員SVP of Developmentというちょっと珍しい肩書で仕事をしています。組織としてはCTOの上長でもあり、自己紹介では技術担当役員と表現することもあります。 自分がBASE社に入社した段階ではシリーズBを迎えていました。象徴としては藤田ファンドから出資をいただいてから、上場を意識した組織に変えていくという空気感だったと思います。 BASE社には正式ジョインする前から技術顧問として関わっていて、週一だけ会社にあらわれるおじさんだったのですが、そのタイ
LayerX バクラク事業部 機械学習チームの機械学習エンジニア兼マネージャーの松村(@yu-ya4)です。半年間に結婚祝いでいただいたたくさんのお酒が順調に減ってきているのですが、サントリーウイスキー角瓶 4Lペットだけはなくなる気配がありません。 この記事はLayerXテックアドカレ2023の16日目の記事のはずです。 前回はosukeさんの『Azure AI SearchのSemantic Ranker』という記事でした。 次回はminako-phさんによるタメになる記事、『Notionでスプリントのあれこれをダッシュボードで可視化する 』が公開予定ですされました。 昨今のAIの進化には目を見張るものがあります。先日のOpenAI DevDayやMicrosoft Igniteでも様々な衝撃的な発表がなされました。今週は違う意味で衝撃的なニュースが多かったですが。 そのような時代です
2024/1/4 加筆修正を行いました 初稿を書いた後に、さらなる経験、色々な方との対話、各種資料を通じて考え方が更新された部分があったので加筆修正を行いました。主要なポイントは以下です。 仕様案の手戻りが発生しないようにエンジニアに積極的に情報を開示していくのはPOの重要なプラクティスであると分かったので、その考え方に沿って整理しなおしました POになりたてのいわゆるパニックゾーンにいる時に書いた文章で、全体的にエンジニアに責任を転嫁するニュアンスになっていたので修正しました プロダクト開発のアンチパターン プロダクトオーナー(PO)が仕様案を持ってリファインメントや計画に臨み、エンジニアが実現可能性や曖昧さの観点からダメ出しをして手戻りが起こる……スクラムやデュアルトラックアジャイルを志向する組織においては、一度は目にする光景だろうと思います。しかしこれは、以下のふたつの理由からひどい
前提として、私は営業組織でも開発組織でも働いた経験があります。 営業組織で学んだこと私は新卒でリクルートに入社し、キャリアの最初は「カーセンサー」という中古車メディア(当時からWEBが中心)の広告営業でした。 新規顧客開拓では都内の中古車店にひたすら飛び込む中で辛い経験も味わいながらも、噂に聞いていたリクルートの営業部隊を現場で体感できたのは非常に学びが多かったです。 私が働いていた当時、大規模な顧客向けシステムのリプレイスがありました。当時はシステムのことなど何もわからず、営業の立場として聞いたときには、「なんでこれまで慣れてきた画面を変えるんだ!」と思いましたし、リリース後にバグがあると「なんでこんな品質のものを開発部隊は当たり前に提供するんだ!」と激怒していたものです。「せっかく俺たちが(売上を)作っているのに・・・」と飲みながら話すことがよくありました。 何よりも、今動いているシス
Intro こういうタイトルを付けるのはあまり好きではないが、あえてこのようにした。 「ブラウザでキャッシュがヒットしない」 以下は、Web における Caching の FAQ だ。 サーバで Cache-Control を付与したのにキャッシュがヒットしない サーバで ETag を付与したのに If-None-Match が送られない サーバで Last-Modified を付与したのに If-Modified-Since が送られない 先日も、筆者が書いた MDN の Cache セクションで「記述が間違っているのでは?」と同様の質問を受けた。 Issue about the Age response header and the term "Reload" · Issue #29294 · mdn/content https://github.com/mdn/content/iss
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