9月30日には第2審の判決が出される「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣さんを名古屋拘置所に訪ねたのは8月23日。奇しくも彼女がちょうど1年前、逮捕されたその日だった。面会室でその話から会話が始まった。 逮捕時や最近の裁判をめぐるテレビの報道では、派手なメイクで「頂き女子、りりちゃーん」と叫ぶ映像が流されているが、実際に会った彼女の素顔は、眼鏡をかけたごく普通の女の子だった。世間の認識は単なる「とんでもない人」というイメージだろうが、いろいろ調べていくとそう単純でもない。「今の社会に居場所がない」女性が、ホストクラブのある種の収奪構造とリンクしてしまい、犯罪に発展していくという、その社会的な構造が問題で、その部分にメスを入れない限り、解決にはならない。 この「りりちゃん」事件を機に、警察がホストクラブのシステムに介入し始めたから、この事件もひとつの大きな社会的きっかけになったとはいえよう。