東京電力の清水正孝社長(=写真中央)が、4月7日、ようやく業務に復帰した。東日本大震災から1カ月が過ぎたが、清水社長がリーダーシップを発揮することができない背景には、体調面の不安ばかりではなく、社内派閥の影響力が強いために身動きが取れなくなっている可能性が高い。 東洋経済が毎年7月、全上場会社を対象にアンケート調査を行っている『役員四季報』から役員の出身大学を1989年から2010年調査までの過去21年分にわたって分析、さらに各社の有価証券報告書から電力10社社長の職務経歴をまとめたところ、東電は東大、文系、間接部門出身が力を持つ、硬直的な人事となっていることが分かった。 歴代東電役員の学歴を見ていくと、東大派閥が非常に大きな力を持っていることが見て取れる。89年には38人のうち26人、7割ほどを東大派閥が独占していた。10年には44.4%に低下している。ただ、会見に登場していた武藤栄