フランス製コミック=バンド・デシネの巨匠、エンキ・ビラルがコミックで描いた近未来世界が「ブレードランナー」以降のSF映画に大きな影響を与えたのはご存知の通り。異文化が入り乱れた雑食性の街も、空中を行くタクシーも、みなビラルの近未来像で描かれたもの。そのビラルの最新監督作「ゴッド・ディーバ」は、彼のコミックの代表作ニコポル3部作の「不死者のカーニバル」「罠の女」が下敷き。つまり、ビラル自身がCG映像によって3次元化した彼の近未来世界像を体験させてくれる作品なのだ。この日本公開のために来日したエンキ・ビラルと、映画のヒロイン、ジルを演じるリンダ・アルディにこの映画の舞台裏を語ってもらった。(取材・文:編集部) Part1:エンキ・ビラル、「色」を語るエンキ・ビラル監督「ゴッド・ディーバ」の映像は実写映像を加工して作られたもの。ゆえに、すべての造形と色彩にエンキ・ビラルの美意識が貫かれている。そ