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ブックマーク / book.asahi.com (14)

  • 芥川賞・朝比奈秋さん 小説病に憑りつかれ、勤務医を辞め無職に。「作家にはならせてくれよ」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。(特別版)|好書好日

    第171回芥川賞 受賞作「サンショウウオの四十九日」 杏と瞬は双子。でも、周りからは一人の人間に見える。部分的に結合している他の結合双生児とは違い、ひとつの体を二人で完全に共有している。そのとき、心は、意識は、生命は、どちらのものになるのか――。杏は/瞬は、二人で暮らし、一人一人で考え続ける。 論文を書いているときに「降ってきた」 それ自体、純文学のような話だった。 「34歳か35歳、胃腸の医学論文を書いているときに、パッと場面が浮かんできたんです。偉いお坊さんが山中で木こりと出会い、あまりにも見事に木を切るので思わず見とれてしまう、というものでした。その場面が頭から離れず、文字にしてみると、どんどん物語が進んでいく。進んでいくから書くしかない。400枚くらいになってピタッと止まった。その前後にまた別の物語が浮かんできて、書き出す。それを繰り返すうちに、とうとう目の前に死にそうな患者さんが

    芥川賞・朝比奈秋さん 小説病に憑りつかれ、勤務医を辞め無職に。「作家にはならせてくれよ」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。(特別版)|好書好日
  • 中原中也の英訳、アメリカの研究者が挑む 「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」どう訳す?|好書好日

    アメリカの詩人で日文学研究者のジェフリー・アングルスさんが、中原中也(1907~37)の詩の英訳に取り組んでいる。「山羊(やぎ)の歌」「在りし日の歌」全編に未刊行作品からの抜粋を加えて、1、2年後の刊行を目指している。 アングルスさんは71年、米オハイオ州生まれ。高校時代に山口県下関市に3カ月留学した。その後、米国の大学で日近現代詩を研究し、萩原朔太郎「町」を皮切りに、モダニズム作家や詩人らの作品の翻訳を手掛けるようになった。2016年には日語による自作詩集「わたしの日付変更線」を発表し、読売文学賞を受賞するなど高い評価を受けている。 アングルスさんが中也に親しむようになったのは、詩人の伊藤比呂美さんに紹介されたことがきっかけ。「中也の作品からは、こんな読み方もあるのかという新しい発見が次々に出てくる。ことばの意味、音楽性、リズムにこだわって訳していくとどんどん楽しくなっていく」

    中原中也の英訳、アメリカの研究者が挑む 「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」どう訳す?|好書好日
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
  • 室町武士は‘‘サイヤ人’’だった!? カオスな時代、権力者たちのサバイバル描く「室町幕府全将軍・管領列伝」 (好書好日)

    ――書は室町幕府の歴代の将軍と実権を持っていた管領について、幕府の開始から滅亡まで章立ててまとめています。高校までの教科書では名前も出てこないような人物まで、家臣や主君、親族同士で激しい権力闘争を繰り広げた様が描かれています。しかし、なぜメジャーな戦国や幕末のヒーローではなく、室町幕府の権力者たちを取り上げたのでしょうか。 僕は大学時代に中国古代史を専攻していましたが、父が日古代史の研究者であることもあって日史も好きでした。中国古代史に関しては今でも半分研究者のつもりですが、日中世史などについてはあくまで素人です。 ただ数年前、NHK大河ドラマ「真田丸」で有名になる前の「国衆」(大名より規模の小さい在地の領主)という概念を取り上げた「全国国衆ガイド 戦国の‘‘地元の殿様’’たち」(2015年、星海社新書)というを企画しました。それがきっかけで日中世史の新書を多く担当することにな

    室町武士は‘‘サイヤ人’’だった!? カオスな時代、権力者たちのサバイバル描く「室町幕府全将軍・管領列伝」 (好書好日)
  • 本の記事 : 「中二病」をこじらせて……キンドルで話題の『架空の歴史ノート』著者に会ってみた - 林 智彦 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    4月ごろから、SNSやまとめサイトで大きな話題を集めているがある(Twitter検索結果[※検索結果なので無関係の投稿も含まれている]、Naverまとめ)。アマゾンの電子書籍サイト「キンドルストア」で販売されている電子書籍だ。その名も『架空の歴史ノート1 帝国史 分裂大戦編』(キンドルストアへのリンク)。 このが、5月中旬には、キンドルストアの「歴史・地理」カテゴリーで1位となり、稿執筆時点では、総合売り上げランキングでも、5位になっている。 タイトルどおり、市販のよく見かける大学ノートに、なぐり書きのような筆致で、架空の「帝国」が、戦争や革命を経て崩壊する歴史が綴られている(右写真)。中には整った絵もあるが、大部分は、小中学生が授業中の教室などで描きそうなタッチだ。一方、社会制度や法律、歴史などの世界設定は凝りに凝っていて、さながら壮大なゲームの設定資料を読まされているようだ。 絵

    本の記事 : 「中二病」をこじらせて……キンドルで話題の『架空の歴史ノート』著者に会ってみた - 林 智彦 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    cu39 2013/05/31
  • インタビュー : 期待が根拠、それがお金 経済学者の岩井・東大名誉教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    アベノミクスの下、「次元の違う金融緩和」で、世の中にお金があふれ始めた。株式市場はわき、景気が上向く兆しがでている。「期待」に左右される市場経済は、随分気まぐれにみえる。経済学者の岩井克人・東大名誉教授に、「お金と期待の関係」を聞いた。 ――人の期待はそんなにあてになりますか? 「実は、お金と期待の関係は、資主義の質にかかわる問題です。3年ほど前にベルリンであった『貨幣とは何か』を討議する学際的な会議に招かれたが、ギリシャ古典の権威の学者の発表が興味深かった。テーマは『なぜ古代文明の中で、ギリシャだけが私たちに近いのか』。ギリシャ悲喜劇は現代人にも感動を与え、民主主義の原型も、哲学も、現代につながる科学もギリシャでつくり出された。彼の答えは、公共的な討議の伝統でもアルファベットの使用でもなく、『世界史で初めて格的に貨幣を使った社会だった』というものでした。私のような経済学者が言うと我

    インタビュー : 期待が根拠、それがお金 経済学者の岩井・東大名誉教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    cu39
    cu39 2013/05/10
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2013041800002.html

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    cu39 2013/04/22
  • asahi.com(朝日新聞社):アイヒマン調書―イスラエル警察尋問録音記録 [編]ヨッヘン・フォン・ラング - 書評 - BOOK

    アイヒマン調書―イスラエル警察尋問録音記録 [編]ヨッヘン・フォン・ラング[掲載]2009年5月10日[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)■虐殺生み出した官僚主義の無表情 もう五十年近くも前になろうか、アイヒマンの裁判を伝えるニュース映画を見た。大学生になってまもないころだ。無表情、いわば鉄面皮の被告席の顔が執拗(しつよう)に映されていた。 ユダヤ人虐殺の責任者であるこのナチス幹部の無表情は何を意味するのか、私にとっても大きなテーマとなった。 戦後アルゼンチンに潜伏していたアイヒマンを、イスラエルの情報機関が密(ひそ)かにエルサレムに連行したのは、一九六〇年五月である。その後、総計九十回、二百七十五時間にわたって予備尋問を行ったが、書はその尋問記録である。イスラエル警察の一大尉の質問に、アイヒマンは「積極的に話す」と、その出自からナチス親衛隊に入るまで、さらにその後の自らの役割や行動

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    cu39 2009/05/23
    週刊読書人の訳者インタビューがおもしろかった。
  • asahi.com: ネット書店で本「延命」 巨大倉庫が書棚のかわり - ひと・流行・話題 - BOOK

    短期間に売れるベストセラーで稼ぎ、売れないは短命で絶版する。書籍のこんな常識が、ネット書店の普及で崩れつつある。無限に広いパソコン上の「書棚」からは、年月を経て書店では消えてしまったが読者に選ばれ、寿命を延ばしている。 ネット書店最大手、アマゾンで今年1〜3月期に最も売れたは、一昨年に発売された「7年前の顔になる 田中宥久子(ゆくこ)の『肌整形』メイク」(講談社)だった。今年1月までの順位は全体の2000位前後だったが、2月中旬に著者がテレビ出演すると売り上げが跳ね上がった。 売り上げのグラフで突如として突起が生じるイメージから、同社で「スパイク」と呼ぶこうした現象は、普通の書店ではあり得ない。年間8万点に迫る新刊に押し出され、売れ行きの悪いは半年で店頭から消える。一方のネット書店は書棚の制約がなく、買われるのを待つ余裕がある。 ◇  ◇ 流通業界では、売り上げ上位2割の製品が、

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    cu39 2008/08/04
  • asahi.com:国のない男 [著]カート・ヴォネガット - 書評 - BOOK

  • asahi.com:ハチワンダイバー [著]柴田ヨクサル - コミックガイド - BOOK

    ハチワンダイバー [著]柴田ヨクサル [掲載]2007年04月08日 [評者]南信長 妙なタイトルだが、題材は将棋である。主人公は、プロになりそこね、賭け将棋で糊口(ここう)を凌(しの)ぐ〈真剣師〉の青年。といっても、映画『王手』で赤井英和が演じた豪放磊落(ごうほうらいらく)な真剣師とはまるで違う。〈将棋以外能がない〉と自認する将棋オタクで、女のコと付き合ったこともなければ、手を握ったこともない。そんな彼の前に現れたのが〈アキバの受け師〉と呼ばれる女真剣師。彼女との出会いによって、男はさらにディープな真剣師の世界に足を踏み入れることになり……。 将棋、囲碁、麻雀(マージャン)など盤上の勝負を描いたマンガは少なくないが、主人公には大抵それなりにヒーロー的要素がある。ところが作の主人公は、ルックスはサエないし、言動もマヌケで、無頼というよりニート風のダメ男。が、こと将棋に関しては滑稽(こっけ

    cu39
    cu39 2007/04/12
  • asahi.com:ナチュン [著]都留泰作 - コミックガイド - BOOK

    ナチュン [著]都留泰作 [掲載]2007年03月11日 [評者]南信長 オープニングでいきなり世界に引きずり込まれた。事故により脳の左半球を失った天才数学者が、イルカの生態を延々映したビデオを「数学論文」として発表。学会では困惑と失笑を買っただけだったが、図書館でその映像を見た主人公の青年は、奇妙なトリップ感覚とともに神の啓示のようなひらめきを得る。その映像には人工知能に関する画期的な理論が隠されていたのだ! そこから主人公は、ビデオ解読のため、沖縄の離島に渡りイルカの生態研究に挑むのだが、天啓に打たれた彼の興奮がそのまま読み手にも伝染し、今どきのマンガにしては細かいコマ割りも一気に読ませてしまう。天才数学者とイルカという組み合わせに深遠なイメージが喚起され、誇大妄想気味の野望と満たされない現実とのギャップに焦燥を感じる主人公の姿には、正統的な青春ものの匂(にお)いもする。 舞台は近未来

    cu39
    cu39 2007/03/15
  • asahi.com: カラスヤサトシ [著] カラスヤサトシ [評者] ササキバラ・ゴウ [掲載] 2006年11月19日 - コミックガイド - BOOK

    作者名がそのままタイトルにもなっているという、ちょっと不思議な印象のだ。内容は、作者自身が登場して語るエッセイ風の四コマギャグまんがであり、身近なできごとや、昔のちょっとした思い出など、日常的なネタばかりが描かれる。「それってあるある」調の、笑いながら軽く読める内容なのだが、しばらく読み進むと作者の妙な気迫がじわじわ伝わってきて、どこか笑うだけではすまされなくなる。あげくには、読み手に思い当たるフシのあるネタが不意打ちとなって襲い、思わず身につまされてしまう作品だ。 描かれるのは、たとえば、無意味だが今さらやめられない慣習や癖。自分の部屋でするひとり遊びや、そこにかけられた無駄な情熱。他人から見たらどうでもいいような、瑣末(さまつ)な決意や信念の切実さ。自分でも説明不能な行動に込められた、わけもわからぬ執着心——など。 なぜか捨てられずに心の片隅にしまってあったガラクタを、日のあたる場所

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