東京都福生市の公立福生病院で昨年八月、腎臓病の女性=当時(44)=が人工透析治療をやめて死亡した問題で、担当の男性外科医(50)が二十八日、東京都内で初めて報道陣の取材に応じた。医師は「透析の中止は提示していない。治療が難しくなり、別の方法を提案すると女性が拒んだ」と述べ、自らは「死の選択」を提示していないと主張。遺族ともトラブルにはなっていないと説明した。 (井上靖史) 医師によると、女性は透析治療を数年続けており、腕の血管の分路(シャント)が閉塞(へいそく)し、透析を続けられなくなっていた。八月九日、鎖骨付近から管(カテーテル)を入れる方法を提案すると「今の方法でだめになったら透析をやめようと思っていた」と答えた。「やめたら二週間ぐらいで死に至る」と伝えると、女性は「分かっている」と返答。医師は夫や看護師、ソーシャルワーカーを集めて協議し透析離脱証明書にサインしてもらった。透析を中止し