アニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオが放火され、スタッフ34人が命を奪われた事件から1週間が過ぎた。重軽傷を負った人も34人に上る。多くが20~30代の若者という。 あまりに理不尽な惨事に、国内だけでなく、国外の日本アニメファンからも追悼の声が高まり、支援の輪が広がっている。 放火と殺人の容疑で逮捕状が出た男の経歴や、その男とみられる人物の事件前の行動も明らかになってきた。現場では包丁数本とハンマーも見つかっている。うかがえるのは周到な計画性と強い殺意である。 事件を防ぐことはできなかったのか。かけがえのない人命が一方的に、質の高い作品を生み出す才能とともに失われた。類似事件の再発を防ぐためにも、動機や背景など全容の解明が不可欠だ。 京都アニメーションは1985年に設立された。緻密な取材などに基づく奥深い描写法が特徴だ。誰もが経験する人生の困難を乗り越えるストーリー性が、若い世代