2020年はオンラインの食料品購入が大きな注目を集めたが、アメリカで食料品のオンライン販売ブームが起きたのは今回が初めてではない。1990年代後半に複数の食料品EC企業が業界を席巻しようとしていた。しかし、いずれの企業もITバブルの崩壊とともに消え去っている。過去の事例を反面教師とし、読み解いていく。 2020年はオンラインの食料品購入が大きな注目を集めたが、遡ること22年前の1999年もまた話題となった年だった。 食料品市場全体に占めるオンライン売上の割合は、2019年の3.4%から2020年は10.2%にまで増加した。ウォルマート(Walmart)やAmazon、クローガー(Kroger)におけるオンラインでの食品注文数が急増した。また、同市場におけるスタートアップ最大手のインスタカートは、最後に資金調達をおこなった2018年から推定時価総額がほぼ倍増となる137億ドル(約1兆4200